もぐらのもぐ インターネット絵本←こちらからリンク
SSブログ

鶏口舎さんの制作風景・木彫りの様子 [鶏口舎さん関連]




筆者の戦友?妹的?な関係の、木彫りと絵の制作活動を行なっている『鶏口舎』を経営する『池田みどり』さん。

その鶏口舎・池田みどりさんのアトリエを取材してきました。取材目的で向かった訳ではありませんがちょっとした用事がありお伺いした際に「制作風景見せてよ」と声掛けしたら「いいよ~!」と気さくにOKしてくれました。(取材目的ではないとはいえその準備は密かに行って向かっていました)
 池田みどりさんは、文章にて自分の内面を伝える事は、どちらかといえば上手ではありませんが、リアルでは気さくで竹で割ったような性格であり、誰よりも誠実で真面目なキャラクターです。作品の制作でも嘘をつかない。誤魔化そうとしない。正統派の作家でしょうね・・・・・筆者はリアルではめちゃめちゃ砕けたキャラなのでよくツッコミされるものです。「何か一つに絞った方が大成する」との事。まじか・・・・何に絞ろうかな・・・・

2017年10月31日の撮影です。その後どう使おうか?話合っているうちに2020年になってしまい、あまり考えずにまずは最大限簡潔に編集して公開しておこう。というわけで今回この場で公開開始します。

様々な方がご覧下さるエントリになろうかと・・・・ですからあえて触れておきますが鶏口舎の池田さんと交際しているという事はありません。純粋な交友関係です。池田さんはサッパリ系。筆者は面倒くさいいかにも女子女性的な性格を好む傾向。
 池田さんは竹で割ったような性格の男性が好みのようです。筆者のような何にせよ論理的に理解しようとする男性はダメでしょうね。だからこそ長続きする関係なのでしょう。(ちなみに筆者は石田ゆり子さん的なふつうな感じの人が好みです。性格としてはあっちにふらふらこっちにふらふら常にコントロールが必要な、並の男性では取り扱い不可能な感じの女性を好みます。ついつい興味を持ってしまうものです)

作家活動というもので、どういう訳かお互い共感しあうものがあり、二人三脚で活動する事があります。一度はケンカになって疎遠だった時期がありますが、しかしいつの間にかまた協力しあい、今ではケンカくらい出来なくちゃ長続きしないよね~と思っています。というわけで、いい感じの距離で末永く応援していこうと思っています。

前提はこんなところにしておきましょう。では早速。

keikousha-works-001.jpg
今回は・・・・・この、指の先にちょこんとのっている『豆サイズ招き猫』の制作工程一部始終をご覧頂きます。この画像は完成後に撮影したものであり、正にこの子の制作風景になります。

この子・・・・つまりこの現物は、筆者がシリコンで型取りし、コールドレジンキャストで量産している子です。ですから今後鶏口舎さんのサイトなどでレジンキャスト素体の『豆サイズ招き猫』を購入した方はこの子のクローンとなるわけです。

keikousha-works-002.jpg
拡大

keikousha-works-003.jpg
参考・この画像内の『豆サイズ招き猫』は、上の子の複製=クローンです。その原型制作風景ともいえますね。

【質問・この子の制作には何時間掛かっているでしょうか?】
では、この子の制作時間は何時間掛かっているか?ということですが、皆さんはいったいどれくらいと推測しますか?木彫り工程、塗り工程との時間を合算するとどれくらいでしょうか?
 答えは末尾にて。筆者が持ち込んだ時計をまずは正午(12時00分)に合わせました。その後、1分以上の休憩時には電池を抜いて時計を止めました。つまり実作業時間をカウントしていきます。
keikousha-works-004.jpg

以降解説は最小限で行きます

keikousha-works-005.jpg
素材となる『天然木曽檜(てんねんきそひのき)』が数百個以上保管されていますが、それをよく確認して今回彫る子に適した木目の子をよ~く探していました。探し終えて道具を揃えたところで時計に電池を入れました。

この木っ端・・・・以降ではあえて木っ端と表記しますが、鶏口舎さんの場合は仕入れる際は一枚板や床柱に使えるような良質の材を仕入れてきてそれを細かく挽いて使っています。川越銘木センターさんなどで仕入れております。材料にお金を使いすぎと同業者は常々指摘するようですが、そこは池田みどりさんの人生観というもので妥協する気がないのでしょう。真っ直ぐに貫く矢のような性格をしているとも評する事もできます。





keikousha-works-006.jpg
下書き


keikousha-works-007.jpg
余分なところはハンドソーでカット

keikousha-works-008.jpg
カット後に再描画。側面にも

keikousha-works-009.jpg
彫刻刀を手に持ったのは・・・・
開始から約5分後。手際よく素早い作業ですがそれでもあっという間の5分でした。

keikousha-works-011.jpg
ちなみに池田んさんは身長150センチくらい。ですから手が小さいです。そんな小さな手に大人用の彫刻刀が大きく見えます。角を落とすも強引にはやりません。丁寧に丁寧に小さく確実に彫っていきます。猫パンチのようにニャニャニャっと彫っていく感じです。リアル猫な動作です。
この時点で木クズが数十カウントできます。

keikousha-works-012.jpg
小さな彫刻刀に持ち替えて・・・・・

keikousha-works-013.jpg
気付くと10分ほど経過・・・・・

keikousha-works-014.jpg
15分ほど経過。ざっくりとした形が彫りだされてきました。おそらく・・・・すでに200回以上は彫刻刀を振るっています。一刀も手抜きはありません。丁寧に丁寧に狙いを定めて小気味よく彫刻刀を振るっていきます。

keikousha-works-015.jpg
いくつかの彫刻刀を部位により持ち替えます。これは耳と耳の間を彫っている様子。

keikousha-works-016.jpg

keikousha-works-017.jpg
だいぶ雰囲気が出てきました。

───時計を止めて10分程度休憩・※時計を止めています───

keikousha-works-018.jpg
ひたすらひたすら・・・・一刀すらも手抜きなし・・・・この画像の注目ポイントは彫刻刀の上に乗った小さな木屑は偶然乗ったものではありません。この小さな屑ですら意図的に彫ったものです!
 背景側の木屑を見てください。木屑の大きさが様々ありますがそれは彫刻刀を持ち替えた事を意味しています。手際よく彫刻刀を何種類も持ち替えて彫っていきます。こんな小さな子を彫り出すために・・・・

keikousha-works-020.jpg
途中で何度か下書きを挟みます。

keikousha-works-021.jpg
ここまでが『第一段階』との事。おそらくは・・・・すでに500回以上は彫刻刀を振るっています・・・・まじか・・・まじだ!!! これは好きじゃないと続けられないね・・・・すごいな・・・・

keikousha-works-022.jpg
約30分経過・・・・・もう間もなく完成と思っている人がいらっしゃるかと。繰り返します。ここまでが第一段階です・・・・!


───第二段階へ突入───

keikousha-works-023.jpg
この木屑の大きさ・・・・ものすごく細かく彫っていきます・・・・!これ、やり過ぎでしょう・・・・! フツーの作家さんならこれで完成って言っているでしょう。ところがまだまだ途中だというのです・・・・まじか・・・・・
 ちなみにですね、今回の材は『天然木曽檜の樹齢200年以上』かつ、年輪の外部側です。年輪が緻密でありこのような細かい芸当に付き合ってくれる良質な材です。安っぽいヒノキ材ではこのような事が出来ません。確実に割れや欠けが起こります。かなり高価な高級銘木ですがこのような芸当を成し得るには最良の選択でしょう。

keikousha-works-024.jpg
よく研いだ彫刻刀ゆえここまで来ると材の表面にカンナを掛けたような独特の光沢が現れてきます。光が当たると反射します。作品に命が吹き込まれ始めているかのような錯覚を覚えます。

keikousha-works-025.jpg
まるで木曽檜と池田みどりさんの精神力が共鳴しているような・・・・サイコフレームか!?キラキラ~ン☆(※逆襲のシャア、もしくはユニコーン・ガンダムを参照)

keikousha-works-026.jpg
約40分経過・・・・・

keikousha-works-027.jpg
約45分経過・・・・・

keikousha-works-028.jpg
あんな小さな木っ端から・・・・こんなに木屑が出る・・・・それだけ彫刻刀を振るう回数が多いわけですが、この段階で千回以上振るっているのではないでしょうか?リアル猫のように彫っていきます。木っ端の大きさと木屑の量が噛み合わない!?最初の質量以上のものが溢れている・・・・これは・・・・あの方程式が脳裏をよぎります・・・・

アインシュタイン博士が人類に対し様々なインパクトを与えた・・・・

E = mc2 ※2は二乗

そうか・・・・鶏口舎の作品の後ろに宇宙を観ていたのですが、小さな木っ端からその質量以上のパワーを引き出していたのかもしれない。つまり目の前で起こっている事は、宇宙の始まりと同じ現象なのか・・・・!?
 それを『ビッグバン理論』というが、もしもそれが実在した現象であれば、池田みどりさんは小さな宇宙を産み出し続けているのかもしれない・・・・(筆者自体はビッグバン理論は空想上の現象ではないかと思い続けているが・・・・・)

keikousha-works-029.jpg
約55分経過・・・・もう間もなく完成と思っているそこのあなた・・・・まだまだ続きますよ。ええ。

keikousha-works-030.jpg
約1時間経過。少し手を止めていただきキリのよいところでパシャリ
さっそく作業継続。

その後・・・・じわじわと進行し・・・・・

keikousha-works-031.jpg
とりあえず木彫り工程は完了!

keikousha-works-032.jpg
時計を見てみましょう

keikousha-works-033.jpg
なんと70分!!その間、常に手が動いていました・・・・す・・・すごい!!軽い休憩を挟んでいるので時間としてはトータルで80分ほど過ぎていると思います。

keikousha-works-034.jpg
左の子は以前に制作した子です。右側の子は今回彫り出した子です。

当記事はすでに画像が30枚を越えました。別エントリで続けましょう。
次の章では『塗り』の手仕事を拝見します。

お楽しみに~♪ 今回はここまで~♪

オマケ
鶏口舎さんのアトリエにて・・・・・
keikousha-works-035.jpg

keikousha-works-036.jpg

keikousha-works-037.jpg

次回予告
keikousha-works-038.jpg
部屋を変えて『塗り工程』へ。これは貴重な証言になると思いますが『彫り工程』は北側にあるどちらかといえば暗い部屋で手許に照明を当てて彫りだしています。宇宙空間のような・・・・いや、宇宙が生まれる前の『無・む』の世界のイメージに近いかもしれません。


『塗り工程』は南側を向いた関東平野を見渡せる明るい部屋になります。※マンションの六階。素晴らしい景色。
 北側の静かな『無』の部屋にて精神をめちゃめちゃ集中させて彫りだして、太陽光が溢れる南側の部屋で着色し、作品に色が溢れていきます。太陽は当たり前のように燃え盛っている訳ですが、鶏口舎さんのアトリエでは『無』の世界がある事で、太陽光が溢れる当たり前な空間がとても尊く感じます。

池田さんの表情ですが、北側の部屋で彫刻刀を振るっている時は刃物を使っているので真剣になりがちだと思いますが、彫刻刀の先端に意識を集中させておりこの世にいない状態のようです。塗り工程で南側の部屋に来るととてもリラックスしている様子です。

池田さんの木彫りスタイルは小さな木っ端をびっくりするほど彫り込んでいくわけですが、緊張感ある1000刀以上だったと思います。あんな小さな木っ端に気が遠くなるほど彫刻刀を振るう・・・・よほど集中していないと出来ないですよね。

なお池田さんは音楽を掛けながら仕事をしません。静かな部屋で制作しています。静かなアトリエです。宇宙空間には音が無いのと同じなのかもしれませんね。宇宙空間の一部のようなアトリエかもしれません。
 この取材後に猫の「ひのき」ちゃんを飼いはじめたとの事で今では猫ちゃんが時には邪魔しにくるのかもしれませんね。
 
では、次回の『塗り工程』では、光溢れる南側の部屋からお送り致します。

こぼれ話として総撮影画像数は500シャッター以上です。ですから画像を編集して動画を起こせるはずです。いつの日か動画を起こしてみたいものです。あまりにも繊細な作業で驚く事かと思います。
※追記・なんと2200シャッターを記録していました・・・・二つのフォルダが満タンで3つめのフォルダにまで渡っています。面白い動画が作れそうですね~。鶏口舎の作品の魅力をなんとか伝えようと気合を入れ過ぎていたのでしょうか。バッテリーを何回か交換した記憶があります。マンションにまでお伺いする事は年に一度くらいのこと。制作の一部始終となるとそうあるチャンスではなかったので余すことなく撮影しておこうと、当時の自分は考えたのでしょう。結果として正解でした。



nice!(18) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 18