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幻の隅田川焼を入手の巻 [鶏口舎さん関連]

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★隅田川焼 都鳥 1804年~1809年の間に製造されたと推認
★全長41ミリ 全幅21ミリ 

こんにちは。

なんと・・・・あの、隅田川焼の・・・・最初期のものと思われる『都鳥』を入手できました。つい先日あるコミュニティーにて「隅田川焼の人気が上がり始めた!?」と話題になったヤフーオークションでの競りがありましたが知人に頼んで落札してもらったのが何を隠そう筆者だったのです。入札合戦となりました。

自動延長設定があったので終了が数十分間長引いていましたが、筆者が最高価格として想定した数字からすれば格安で落札できたので、株価と実経済は反比例状態にあるのかな?と心配な気持ちにもなったのですが、まあ、そんな事は置いておき、歴史的価値という意味では博物館クラスのこの可愛い『都鳥』を公開しておきます。あまりにも幻的な物件なので入札の代理人には「応札があったら5秒以内に応札してよい。落札できるまで」と指示していました。どんなに高くても50万円。現実的なあたりで・・・・競り合う事になれば30万円。おそらくは15万円以下。そう思っておけば必ずや落札できるであろうと目論んでいました。実際には6万8千円で落札できました。最初期品という事実を見抜いた人が少なかったようで、それを見抜いている人が複数参加していれば目論見と相違が無かったはずでは。出品説明が間違っていたという理由もあるかも知れません。後述の事実が言及されていなかった事はこちらにとって有利に働いたのだと思われます。そもそも相場というものが未知数ですからなんにせよ入手出来て良かったなと思います。

◆この都鳥の概要・箸置きと思われる
・墨田川花屋敷(現在は都営向島百花園)のお土産ものだった
・花屋敷とは庭園に植栽した季節の花を楽しむテーマパーク的なイメージ。殿様向けではなく庶民向けの園だった。
・創始者の佐原氏は現代でいうマーケティングのセンスがズバ抜けていた様子。歌舞伎役者を招いて「芸能人も訪れました!」というような宣伝も行なっていた。
・園のロゴマークを押したお土産物はそのマーケティングセンスから生まれたと推認
・落款(らっかん)が『すみた川花屋敷』と明確に残っている。つまり1804年~1809年の設立当初の頃のものと推認される。1809年頃から百花園との名称変更?されていたと推認される情報が残っている。※この事実を知る者はほぼいなくインターネット上に情報が無い
・江戸の焼き物といえば『隅田川焼』と言われるが、その隅田川焼としても初期のものと推認される
・隅田川焼の始まりは隅田川で泥を採取して、隅田川花屋敷内でお土産用に焼き始めたと伝えられている
・当時墨田川花屋敷は瞬く間に人気スポットになっていた。
・東京は大震災や空襲があった事などから現存数がかなり少ないのでは?とは東京新聞のコンテンツで。
・初期の落款『すみた川花屋敷』のものは尚更の事入手が難しい。よほどのコレクターが持っているのみで市場に出る事はまず無い。なお江戸期のものの多くは「スミタ川」との落款。今回の落款は図鑑などで見かけない。この落款を知っている人はよほどの通と言える。
・目立ったダメージが無い。ミントコンディション。
・正に和の美の世界。筆塗りの尾は銘木の黒柿を思い出します。とても可愛くそして江戸情緒が薫るいつまでも見飽きない素晴らしい骨董品です(うっとり)。

そんな物件が突如ヤフーオークションに登場したのですから何が何でも落札しようと決心しました。
筆者は可愛い物が大好きで、特にかわいい置物が大好きです。鳥モチーフはかなり大好きでヒヨコ、アヒルは言うに及ばずコレクションしています。コレクションするだけでなく、たまには傷ついた古いものを入手してはレストアもしています。しかし他人に話すことはあまりなく、そんな趣味を知っている人は少ないかもしれません。自分で鳥モチーフのペンダントを作ってもいました(デザインはくろさきゆりさん)。
※来年以降に製作を再開するかもですが・・・・

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※少々画像処理を入れていますが『すみた川花屋敷』の落款が読み取れます。
※筆者の記憶の限りでは・・・・この落款が書籍で掲載されていた事はありません。こちらは江戸情緒溢れる印象です。掲載されていたとしても『スミタ川』の落款です。百花園との名称で呼ばれるようになった頃から落款は『スミタ川』になったと思われシンプルで洗練された印象のものへ進化しています。
 『すみた川花屋敷』の落款は時代を感じるもの。似合っているかといえばとても良く似合っています。この落款はインターネット界で初公開だと思われます。本当にそれくらい市場に出てくるものではありません。この落款が存在する事は骨董品商のお爺ちゃんに話で聞いていましたが半信半疑でした。本当にあったんだ・・・・衝撃を受けました。そうですね・・・・ローカルニュースで報道されるクラスの情報だと思います。全国放送まではいかなくともNHKの関東甲信越ニュースのネタになりそうな。
今回二点入手しましたがそれぞれ押印が微妙に異なります。大量生産するためにいくつか存在したのでしょう。雰囲気的には鉄製の押印が何種類かあったのでは?少なくとも今回の物件にて押印が二種存在する事が判明しております。
 都鳥をモチーフにし、かつ、尾をこのように塗った工芸品が多く生まれましたが、それらの起源となるのが今回の物件ではないでしょうか。

百花園の歴史において隅田川花屋敷と名乗り呼ばれていた時期は極初期のみ。その極初期のものであると明確に分かるのですから江戸時代に開花し現在に至るテーマパークの歴史を後世に伝える大変貴重なものです。
 といっても土産物だったので焼き物コレクターの間では評価がけっして高いわけではありません。名匠の品で直筆の釘落款があるような骨董品とは異なります。テーマパークの名称落款です。考えようによっては寛政時代のテーマパーク名称落款はありえない的な価値がありますが、なんにせよ焼き物コレクターの間ではさほど価値を感じないものでしょう。
 しかし歴史的価値といえば申し分ないものであり、なによりも2020年を迎えた令和の今に見ても200年前のものとは思えない現代の日本人でも共感できる愛くるしさがあります。

下の画像のうち左側の仔は、江戸時代にしては現代的ですがかなり好評だったのか、その後時代により何度も『型』が更新されていますが、この子を意識した意匠です。右側の江戸時代的意匠の子はいつの間にか廃絶された模様です。
 すると現代に見られる『この仔の感じ』は、開園当初から続いてきたと確定する事にもなります。当時としては極端に単純化されたこの仔の意匠が斬新な表現だったのかもしれません。現代に通ずるジャパニーズカワイイの起源的なものでもあるかもしれません。

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隅田川花屋敷・・・・浅草花屋敷よりも歴史が古いとの事ですが、当時は江戸市中に梅屋敷などテーマパーク的なものがいくつか存在していました。現在は都営向島百花園として現存しています。浅草花屋敷はコンセプトを変えつつ現在に至っています。

こちらのサイトさんから・・・・画像をお借りします。
https://intojapanwaraku.com/art/84950/

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左:歌川豊国「隅田川花屋敷 桃の図」(個人蔵)/右:歌川豊国「隅田川花屋敷 梅の図」(個人蔵)共に歌川豊国、個人蔵/創設者の佐原鞠塢(さわらきくう)は、骨董商になる前は芝居小屋で働いていた時があったそうで、その時の縁もあって人気役者が登場する百花園(※初期は隅田川花屋敷)を描いた浮世絵が多数残っているそうです。※文言の一部も引用させて頂きました。当時有名な役者さんがモデルとの事。お品書きの手製梅干しが気になります。それも「すみた川花屋敷特製」とロゴを刷ったパッケージを用いていたのでしょうか?

この浮世絵は「隅田川花屋敷」と確認できます。すると1804年~1809年頃に描かれたのでは?と推認されます。「百花園」と名乗るようになった?(呼ばれるようになった?)のはそれ以降のことです。この時代の誰かが、今回ご縁があり筆者の許へやってきた都鳥を土産物として購入したのでしょう。この2羽はいつの時代から一緒にいるのでしょうか?最古では200年も一緒にいる事でしょう。

隅田川花屋敷⇒百花園への移行については分かっていない事が多いものです。それゆえどの書籍もサイトもその辺の事を曖昧に済ませています。しかし少なくとも初期は隅田川花屋敷と名乗りお土産物に落款が残っている事が確実になりました。たったそれだけの事なのですがこの事実から明るみに出来ることはそれなりにあるのです。

太陽活動でいえば太陽黒点観測数が前後の時代に比較して低かった『ダルトンミニマム』の頃になります。もぐらのもぐ相対性理論では『ダルトンデトネーション』と定義しています。品川で約2メートルの積雪があった事や、隅田川がたびたび凍結していた記録が残っている時代です。つまり冬季に偏西風の蛇行が起こっていた時期になりましょう。その時代は冬季に雪が多かったそうですが当時の庶民はそれを「異常気象だ~!」なんて野暮な事を主張して大騒ぎする事はなく庭園などで鑑賞して楽しんでいた事が浮世絵として残っているものです。それは筆者がすでに発表しているプレゼンテーションでも触れています。そんな時代の物でもあるので筆者は何が何でも入手しようと思ったわけです。

【ご注意】
骨董品は贋作だらけの世界です。この商品(正に商品ですね)については少なくとも現時点では贋作を見かけた事がありません。もしも今後高騰すれば分かりませんが当時のテーマパークの土産物ゆえ贋作を作る意味がない(言ってしまえば安物の類・当時の話)という理由です。ネットオークションは贋作が多く時代付け(古く見せかけたもの)されたようなものなどが散見されます。隅田川焼自体が現時点で高い評価ではなく贋作を作ってもさほど意味がないのでターゲットにされていないのだと思われます。しかし今後は分かりませんね。いずれにしても注意しましょう。なんにせよ99.9%が贋作だと疑って掛かったほうが良い世界です。信頼できるプロ経由で購入する事。ヤフーオークションは贋作率が著しく高い世界だと思っておいたほうが良いです。手を出さないほうが良いでしょう。もちろんリアルでも贋作率が高いものです。ウソツキ多すぎ問題です。

繰り返しますが・・・・隅田川焼はその筋のマニアの方々の間では評価が高いとはいえません。可愛いものが好きといった異なる目線で鑑賞する方々が珍重しているものです。今回の物件は「テーマパークのお土産商品」という括りにおいて、それを明確に確認出来る日本最古のものになるのでしょうか?その目線で調べた事がないので分かりませんが・・・・今でこそテーマパークのお土産品にロゴマークが刻印されているなど当たり前な事ですが・・・・


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鶏口舎さんの制作風景・木彫りの様子 [鶏口舎さん関連]




筆者の戦友?妹的?な関係の、木彫りと絵の制作活動を行なっている『鶏口舎』を経営する『池田みどり』さん。

その鶏口舎・池田みどりさんのアトリエを取材してきました。取材目的で向かった訳ではありませんがちょっとした用事がありお伺いした際に「制作風景見せてよ」と声掛けしたら「いいよ~!」と気さくにOKしてくれました。(取材目的ではないとはいえその準備は密かに行って向かっていました)
 池田みどりさんは、文章にて自分の内面を伝える事は、どちらかといえば上手ではありませんが、リアルでは気さくで竹で割ったような性格であり、誰よりも誠実で真面目なキャラクターです。作品の制作でも嘘をつかない。誤魔化そうとしない。正統派の作家でしょうね・・・・・筆者はリアルではめちゃめちゃ砕けたキャラなのでよくツッコミされるものです。「何か一つに絞った方が大成する」との事。まじか・・・・何に絞ろうかな・・・・

2017年10月31日の撮影です。その後どう使おうか?話合っているうちに2020年になってしまい、あまり考えずにまずは最大限簡潔に編集して公開しておこう。というわけで今回この場で公開開始します。

様々な方がご覧下さるエントリになろうかと・・・・ですからあえて触れておきますが鶏口舎の池田さんと交際しているという事はありません。純粋な交友関係です。池田さんはサッパリ系。筆者は面倒くさいいかにも女子女性的な性格を好む傾向。
 池田さんは竹で割ったような性格の男性が好みのようです。筆者のような何にせよ論理的に理解しようとする男性はダメでしょうね。だからこそ長続きする関係なのでしょう。(ちなみに筆者は石田ゆり子さん的なふつうな感じの人が好みです。性格としてはあっちにふらふらこっちにふらふら常にコントロールが必要な、並の男性では取り扱い不可能な感じの女性を好みます。ついつい興味を持ってしまうものです)

作家活動というもので、どういう訳かお互い共感しあうものがあり、二人三脚で活動する事があります。一度はケンカになって疎遠だった時期がありますが、しかしいつの間にかまた協力しあい、今ではケンカくらい出来なくちゃ長続きしないよね~と思っています。というわけで、いい感じの距離で末永く応援していこうと思っています。

前提はこんなところにしておきましょう。では早速。

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今回は・・・・・この、指の先にちょこんとのっている『豆サイズ招き猫』の制作工程一部始終をご覧頂きます。この画像は完成後に撮影したものであり、正にこの子の制作風景になります。

この子・・・・つまりこの現物は、筆者がシリコンで型取りし、コールドレジンキャストで量産している子です。ですから今後鶏口舎さんのサイトなどでレジンキャスト素体の『豆サイズ招き猫』を購入した方はこの子のクローンとなるわけです。

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拡大

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参考・この画像内の『豆サイズ招き猫』は、上の子の複製=クローンです。その原型制作風景ともいえますね。

【質問・この子の制作には何時間掛かっているでしょうか?】
では、この子の制作時間は何時間掛かっているか?ということですが、皆さんはいったいどれくらいと推測しますか?木彫り工程、塗り工程との時間を合算するとどれくらいでしょうか?
 答えは末尾にて。筆者が持ち込んだ時計をまずは正午(12時00分)に合わせました。その後、1分以上の休憩時には電池を抜いて時計を止めました。つまり実作業時間をカウントしていきます。
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以降解説は最小限で行きます

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素材となる『天然木曽檜(てんねんきそひのき)』が数百個以上保管されていますが、それをよく確認して今回彫る子に適した木目の子をよ~く探していました。探し終えて道具を揃えたところで時計に電池を入れました。

この木っ端・・・・以降ではあえて木っ端と表記しますが、鶏口舎さんの場合は仕入れる際は一枚板や床柱に使えるような良質の材を仕入れてきてそれを細かく挽いて使っています。川越銘木センターさんなどで仕入れております。材料にお金を使いすぎと同業者は常々指摘するようですが、そこは池田みどりさんの人生観というもので妥協する気がないのでしょう。真っ直ぐに貫く矢のような性格をしているとも評する事もできます。



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