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川口市のおすすめ盆栽園といえば矢島清芳園さん。 [盆栽のはなし]

2017.06.17公開記事
2019.6.17追記あり
何度もお伺いしているうちに矢島清芳園さんの『エッセンス』がわかってきました。

川口市の矢島清芳園(やじませいほうえん)さんのご紹介です。

ネット上に矢島清芳園さんの情報がほとんど無し・・・・知る人ぞ知る・・・・ウェブサイトをお持ちでないようです。現地近くの看板は清芳園と三文字の表記なので気をつけて下さいね。川口盆栽マップでは矢島清芳園との表記なのでこのブログではそちらに合わせます。
 川口市の秘境の地といえる赤山城跡の隣。ドライブなどで川口市を通っていてもぜったいに気づかないと思います。隠れ家的でもあります。

雑木の小品(しょうひん)を専門に千点を軽く超えるほど盆栽があるかと思います。
少人数で経営なされているのである程度盆栽の知識がある方のほうが向いている盆栽園さんです。その理由ですが、季節によって・・・・例えば植え替えなどの時期では初心者さんへの対応がしきれない事があるかも?
もちろん初心者さんが向かっても販売して頂けます。空気を読みつつお伺いすると良いでしょう。電話で一報されてから向かうと良いでしょう。コミュニケーションを経て向かえばしっかりフォローしてくださる事でしょう。突然だとタイミングが合わない可能性。

『侘び的』といえるストイックな盆栽園さんです。マジメな盆栽園さんで買いたいなという方にはなおさらお勧めです。


※画像はタップ(もしくはクリック)で拡大します。ゆっくり眺めてね

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矢島さん(四代目)がここまで仕立てたツルウメ。素敵でしょ?鉢は名品。数十年前に特注で製造した矢島清芳園オリジナルです。笠間焼。鉢の裏面にちょっとした工夫が。お父様のアイデアだそうです。デッドストック品が少々あるとか。
 いくつもの季節を矢島さんの棚場ですごしてきた子。猛暑も冷夏も、暖冬も厳冬も・・・・季節のリピートを何度も越え・・・・太陽活動サイクルもいくつか体験し・・・・今日こんな姿に。ストイックであり正に侘び的。軽妙洒脱的です。小さいけれども大木のようなシルエット。枝が軽やか。
 バランス感が素晴らしいです。僕の棚場でいい感じで存在感をアピールしています。枝をよく見て下さい。太陽活動周期のグラフと似ています。そう捉えるととても素敵です。盆栽の銘は『第二十五周期(リピート)』に決定。

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BW撮影

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参考:こちらも先日購入。こちらはお父様(三代目)作のお品。ツルモドキ。針金掛け一切無し。培養の工夫すなわち『知恵』でここまでの曲付けが出来るそうです。ただし運的なものも絡むので同時に育ててきたその他のツルモドキはそれぞれ種々相です。全く同じ子はもう当然にありませんが、同じ作り方で培養してきた子はまだまだ棚場で培養されています。古典盆栽の美。針金掛けによる曲付けとは全く異なる時空間から生まれた盆栽。独自の技も用いられています。玄人さんはこの樹のどこを最も評価するか?・・・・・・立ち上がりが美しい・・・・面白い樹だね。このような素質がある樹を培養していくべき。(85歳・歴約60年の盆栽士さんのコメント)

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BW撮影・末尾でもう一度紹介します。記憶に留めておいてくださいね


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参考:こちらも先日購入。『まゆみ・亀甲性(亀の甲羅のようなヒビが樹皮に起こる)』

さて始めましょう。

埼玉県には旧大宮市の盆栽町がありますが数件が残るのみ。川口市の方が盆栽業者さんの数が多い。大小合わせれば3ケタになるとか。

盆栽世界大会でもらった川口盆栽マップを見て川口の盆栽園巡りをしました。
そして出会った一般人には知られていない盆栽園さんを今回紹介します。ちなみに僕はかなり盆栽が好きですがそれでビジネスを行っていません。盆栽関係の会社さんで利害関係がある会社さんはありません。

今回紹介させて頂く川口市のおすすめ盆栽園さんは・・・・

矢島清芳園(やじませいほうえん)さん
小品(しょうひん)・雑木(ぞうき)が主。数千鉢あるかと思います。生産されております。すごい数。大変なお仕事だと思いました。(仕入れたものを仕立てて販売しているものもあるそうです)

みなさんご存じでしょうか?あまり一般的な知識ではありませんが盆栽園には大きくは2種類の業態があります。

盆栽業:ぼんさいぎょう ⇒盆栽の生産をなされている。もしくは預かって培養しているなど生産や培養に関わる事が主なる仕事。一般人にほぼ無名な事が多い。もしも知られていても表立って広告をだしたりしていない傾向。良い盆栽を仕立てる事で評価される業態。

盆栽商:ぼんさいしょう ⇒盆栽を仕入れて販売している。ネットで転売を繰り返す業者さんも盆栽商になります。一般生活者対象の業態ですから一般人によく知られている。広告や旅行ブックなどで名を見かける事が多い。売り上げを高める事で評価される業態。

盆栽業の中でも生産する盆栽園さんは多くの数を育てているので、育てる事に関してのノウハウがハンパではありません。そして近年ではそのような盆栽業を営んでいる盆栽園さんは少数派です。かなり少ないです。繰り返しますが良い盆栽を仕立てる事で評価される業態。

盆栽商はどんな季節にどんな樹が売れるか?どんな樹に価値があるか?どんな年代の人にどんな樹が人気か?オークションに出品する時に高値で終了させる出品方法、売買時の駆け引きの仕方、初心者さんに対するフォローなど、現代的に言えばマーケティング的なノウハウがハンパではない。大きくはそんな二つの業態があります。繰り返しますが売り上げを高める事で評価される業態。

その中間的な業態もあるでしょう。中間と言っても『業より』『商より』という違いもあるでしょう。
※企業経営企画業を営んでいるのでついついこういう目線で分析してすみません。

そして今回紹介する矢島清芳園さんは極少数派の『生産する盆栽業』です。盆栽業の盆栽士と盆栽商の盆栽士さんは見ている景色が全く異なり、別の職業と言っても差し支えないでしょう。

さらに・・・・

盆栽の生産と聞くとJAやホームセンターなどで売っているビミョーな盆栽をイメージしてしまいそうです。そのような『盆栽業』もありますが、矢島清芳園さんはそういう盆栽ではなく、有名盆栽園が仕入れにやってくる品なのです。農家さんが片手間にテキトーな盆栽的なものを作っていることがありますが、そういうものではなく「盆栽」です。かなり大変な事を為されています。丁寧な培養を継続する事はどれだけ大変なのか・・・・

矢島清芳園さんのご近所に『やじま園』さんもあります。親戚に当たります。向かう時にはそれぞれ違う盆栽園である事は必ず知っておくべし。


【これは知っておこう】ちょっぴり先輩より
矢島清芳園さんは膨大な品数が。するとどこからどう見て良いか?悩みがちです。そして・・・・上から眺めてしまいがちです。
 水やりし易いように腰程度の高さの棚場になっていますから(それは当然ですが)、すこし屈んで盆栽の高さ目線でジーっ@@ と眺めると良いでしょう。当然にその目線で美しく見えるように仕立てられているのです。すると・・・・あれもこれも・・・・・素敵な子達が多く視界に入ってきます。上から眺めていると見逃してしまいます。それはもったいない事。この件を意識して向かって下さい。

【これも知っておこう】
矢島さんに聞きたい事は様々あると思います。僕からアドバイスする矢島さんに尋ねておくべき重要ポイントは栄養管理。矢島さんはプロなのでベストな栄養管理で培養してきたワケでそこをしっかり継がないと栄養不足にさせてしまいます。
 ですからあなたが矢島さんから盆栽を継いだとすれば栄養についてアドバイスを頂くべきでしょう。もちろん置く環境により変わる訳ですが矢島さんの棚場の環境ではどんな栄養をどんなタイミングで与えてきたか?判断の為に原点となる情報を知っておくべきでしょう。



僕は気づきましたが・・・・超有名盆栽園さんも仕入れにきています。当然にプロは仕入れ先を口外しないものですからそれで一般生活者には知られていないようです。プロの間では知られた存在なのでしょう。もしも本職ではないのに矢島清芳園さんを知っていたらよほどの玄人だ。そのようにある盆栽業の園主さんが仰っておりました。看板も奥地にあるのでよほどの人でなければ知らないでしょう。との事。そこで『盆栽業』と『盆栽商』の違いを教えて下さり知りました。そういう事だそうです。

ですから・・・・『盆栽業の老舗・矢島清芳園』それが適切な表現でしょうか。本家の一代目さんは昭和初期から。少なくとも昭和十一年に発行された盆栽誌にてお名前が確認されます。分家し二代目の矢島銀次郎氏が明治三八年生まれ。お父様が三代目。息子さんが四代目になるそうです。

僕はこれまで様々な業種の様々な職種の皆さんにお会いしてきましたが矢島家系はそもそも論として手先が器用でありハンパじゃないほど観察力が優れ、バランス感覚(美術的感覚)も優れているのだと思います。
 長くやっていれば務まる世界ではなく同じ365日24時間の中でより多くの事実に気づきより多くの仕事を、質を高くこなせないと矢島清芳園さんの看板を守れないと思います。小品盆栽の生産とその継続は血筋(DNA)に拠るものが一番大切であり先天的に向いている家系なのでしょう。ハサミを持っていれば誰でも出来る訳ではない・・・・

お父様(三代目)と息子さん(四代目)のお二人で基本的には手入れをしていらっしゃいます。お父様は針金を使わないでハサミ仕上げが好み。古典的かつ正統派的と言えます。
 息子さんはどちらでも。古典も知り近代的盆栽も楽しむ。仕上がったものが素敵であれば。という思想をお持ちです。基本が出来ているので針金を用いるといってもとても美しいお品を作ります。

おそらく・・・・皆さんが向かっても息子さんが応対してくださると思います。パパでもある息子さんは盆栽士の中において物腰が柔らかい方なので、堅苦しい時間になりません。ですから盆栽ビギナーの方でもそれなりに経験がある方でも楽しい時間となるでしょう(ビギナーさんは一報してから行くべし・対応に時間が掛かりがちになるのは想像に容易。通常はプロや玄人さんが、ささっと買って去るスタイル)。

お父様とお会い出来ると古い時代の体験談もお聞きできるかも?

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画像:令和元年初日に矢島清芳園にて購入してきたコナラ盆栽。立ち上がりに一曲(いっきょく)。枝は今後のお楽しみ。軽妙洒脱な雰囲気です。
※立ち上がりに一曲。今回教えていただいた言葉。かっこE 小品ですが力強さがあるかも・・・・こちらは矢島清芳園さんにて実生から作られた樹です。10年程度でしょうかとの事です。冒頭で登場した玄人盆栽士さんにコメントを頂きました。この樹もいいね。素晴らしい。目が肥えてきたね。見ていてワクワクする。来年、再来年のこの樹を想像してしまう。とにかく立ち上がりが美しい。との事です。


常に数千鉢、希少な種類なども含め多くの樹種の取り扱いがある訳ですから、体験やノウハウが圧倒的です。僕は様々な盆栽園に伺っておりますが矢島清芳園さんの知見はズバ抜けている印象を覚えました。教えてくださることの次元が異なります。
 古典的な樹種も棚場にあり歴史がある盆栽業さんは棚場にも時代がのっています。盆栽の歴史を堪能する事が出来ます。

僕は太陽活動と気候に関する研究をしています。太陽活動と樹木の成長は当然に相関性があります。研究上で気になる事があり矢島さんに桜や梅などの特性などを教えて頂いたのですが・・・・即答で多くの情報を教えて頂けました。直接触れて多くの盆栽を生産しているからこその知見。良いデータが発表出来そうです。※研究は本業ではない。太陽活動のリピートと気候のリピートについて研究し発表を行っている。

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ビワ。豆盆栽サイズ。いい感じ。

さて

人生においての植替え回数、体験している樹種にしても膨大な経験をされておりますから並みの盆栽園さんとは比較にならない経験値なのでしょう。一度隣で指導して頂きながら植え替え体験をしました。矢島さんは作業がすばやく丁寧でしかも早い・・・・。プロの植え替えだ・・・・ビギナーのうちにプロに隣で教えて頂いておくべき。隣で指導できなければ伝えることが出来ない事の方が多い・・・・それは昭和記念公園内にある『盆栽苑』の盆栽士さんが教えてくださった事。確かにそうですね。それで僕はなるべく隣で見てもらうように心掛けています。

※なんと・・・・春先の植え替えシーズンには赤玉土などを最低でも150袋(13リットルから14リットルなはず)は仕入れているそうです。しかも質の高い土を使用されているのでその仕入れ値だけでも大変そうです。しかしコダワリを持って臨んでいらっしゃるので妥協しないそうです。さらにはその全ての土をゴニョゴニョ(ひと手間)していらっしゃるそうです。矢島さんの棚場の盆栽は土がしっかりしていて丁寧な事は分かります。それだけ努力なされている・・・・矢島清芳園さんは本当にストイック。昭和の古きよき時代の職人気質的経営を令和になっても続けていると言えます。

矢島清芳園さんは管理が行き届いています。根がどうなっているか?そこにまでアドバイスが及びます。転売を主とする盆栽園すなわち盆栽商的な一部盆栽園さんでは競りで仕入れてきて一度も植え替えをしていないで売ることになりますから、実際には根がどうなっているのか?把握していないで売っている事が少なくはないのです。すると根のことについて一般的な話になりがちで目の前の現物の根がどうなっているのか?論点を外して誤魔化してくるものです。鉢から上の事。鉢から下の事。どちらも同じくらい大切です。根もしっかり作っています。
 矢島清芳園さんのお仲間さんや常連さんらなどが培養してきた盆栽が訳あり棚場に並ぶことがあります。そのようなときは並んですぐに声が掛かる事もありそのような時は「分からない」と教えて下さります。といっても前の盆栽士さんがしっかり手入れしていた品ですからヤフオクによく出品されている酷い状況の品が棚場に並んでいる事はありません。プロとしてのプライドというものでしょう。

価格帯の話を。
お値段は1500円くらいから。矢島清芳園さんなら1万円あれば素敵な品をいくつか買えますよ。価格控えめ。プロはここで仕入れた品に少々手を入れて数倍~10倍程度の価格で販売しているのでしょう。もちろん、矯正をしたり鉢を変えたりと盆栽園さんにより素材を引き出す工賃的なものが発生するのでそれは商売として当然のことだと思います。時間が掛かります。
 しかし自分である程度できるのであれば矢島清芳園さんに直接購入へ向かえばよいということです。1万円を越える品もあります。当然に良いものです。
 いずれにしても業者さんが商売できる価格を意識していらっしゃいます。ですから本職向け、玄人向けの盆栽園さんでもあります。
(有名盆栽園が原価率10%であれば・・・・その盆栽園のコーポレートブランド力に拠るあたりでしょうが・・・・矢島清芳園さんで三千円の樹をちょいと仕立てて3万円に・・・・ですから自分で仕立てられれば有名盆栽園で数万円クラスの樹をそんな価格で買ってきてしかも自分の好みで作れるという事です。※お願いすれば矢島清芳園さんでも技術料別途で仕立てて下さるそうです。技能職です。無理に自分で行わなくても良いかも?と僕は思います)

ケヤキの性を説明してくださる時に、目の前に様々な性のケヤキを目の前に並べて具体的に教えてくださったのでとても勉強になりました。ケヤキの素材といっても数百ありますから、それを全部チェックしていたら大変な時間です。楽しいですが。自分のイメージに近いものを探しましょう。

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※ケヤキの一部。ケヤキは確かに生命力が強い樹ですがエノキはその2倍くらい強いので初心者に向いているとの事。この画像を撮影した一週間後・・・・全て葉狩り済みになっていました・・・・ご苦労様でございます@@,

雑木に強いという事で、ケヤキ、ブナ、モミジ、ウメ、サツキ、黄梅、ツバキ、コナラ、クリ、ツタ、クヌギ、カシワ、カキ、茶の木、クワ、ブナ、カエデ、エノキ・・・・これは一例ですがその他おおよその樹種が棚場に(ウメやサクラなどは各種品種物)。また、とても珍しい品種物も様々ありました。生まれて初めて見た品種も。古典的な樹種も豊富。
 イチョウの葉に銀杏が発生するなんて初めて見聞きしました。タイワンオギなど草ものも少々。ツルの無いアサガオをお父様が作っていたので頂きました。

例えばコナラといっても花芽の数が多くドングリの成りが大切というのであればそのような性のコナラが購入できます。実が成る樹種で、かつ、矢島さんのところで実生や挿し木でスタートしているものであれば実成の様子も教えてくださります。

一才性の各樹種も。

優良な種木からスタートしています。原生林や人工林で生えている木は生存競争に勝って強健ですがその種を蒔けば良いという世界ではありません。それが盆栽ではよろしい性とは限りません。あくまでも盆栽になる為に向いた性が大切です。

クリの盆栽・・・・初めて見ました。花が咲いていました。栗の木と言えば・・・・江戸幕府時代は江戸そしてその近郊の4本に1本はクリだったというデータが残っているそうです(幕府の意図的な森林政策)。
 無垢材としてのクリは?全てのクリ材が銘木という訳ではありませんが、上級以上とされるクリ材は茶室の床柱に利用されるほど。和の美全体を見渡してからクリの盆栽を評価するととても価値あるものとなります。

茶の木の盆栽も。茶の木は茶道を嗜む方は棚場に必須の樹種。かつてはお茶に始まりお茶に終わるというくらい茶の木の盆栽は棚場にふつうにあったものだそうです。
※関係ありませんがお茶の新芽の天ぷらは美味です。

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サツキも少々。挿し芽から育てた大品が少々。もちろん売り物との事ですがお父様の趣味も入っています。このサツキ群は挿し芽から50年を超えているものもあるそうです。かなりいい感じ。気になる方はどうぞ。

息子さん曰く『棚場は親方(父親)のマイブームの変遷の歴史があちらこちらに残っている』との事です。


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玄人さんにはこんな品はいかがでしょうか?枝を抜いた跡が完全に癒合するなど時代がのっています。ふつうは枝を抜いた後は見苦しいものですが古くなるとむしろ勲章的なカッコ良さ。鉢は好月(釘落款)。鉢も時代がのっています。
 二つの主なる枝を敢えて落として低く作り直すのも良いでしょう。との事。ここまで来るのにそれなりに掛かっています。人生はけっして長くはない。数十年のワープが可能。
矢島さんが手を入れてより素敵にしても良いが価格が高くなるし本職さんや玄人さんならこの状態で何かしたいはず・・・・あとはこの品を継いだ人次第。お好きにどうぞ。という訳で好素材に留めてあるとの事(僕が購入・・・・すまんな。勧めておいて・・・・)。
 このような玄人好みの品もゴロゴロと・・・・・僕のような初心者はケヤキのホウキ仕立てなど分かりやすいシンプルな樹形から入るものですが玄人さんはこういう奥深い素材をベースに作っているものです。いかにも玄人さんの棚場にありそうな雰囲気。ここまでに至るお話を聞けました。矢島さんがこのモミジに出会った時は枯れる寸前くらいに弱っていた・・・・そして元気回復させ現在のこの鉢に合うように根に手を入れたりし、どこかの誰かとご縁がある日を待っていた。どこかの誰かがこの子をより引き出すだろうと適度なところで手を止めて・・・・そして僕がこの子とご縁があったのでした。

今すでにある魅力つまりエッセンスを崩してはダメなのでしょう。玄人盆栽士さんのコメント。素敵な樹になるよ。素質がある樹だね。ワクワクするね。面白い樹。こういうのを今の若さから培養すると良い。との事です。

あれ?やっと言葉に出来たぞ・・・・矢島清芳園さんの経営哲学とか実践している事は英語で言うところの『ストイック』。日本語で言えば『侘び的・わびてき』というものですね。『侘び寂び・わびさび』という言葉はリズム感がよく安易に使われがちですが本来やたらと使ってはならないものであり、行動とか作品で示すものなのです。実践は人生を通して行う必要。
 矢島さんがその言葉を使ったことはありませんが・・・・正に『侘び的盆栽』を体現している盆栽園さんでしょう。このモミジは侘び的であり寂び的でもあります。いくつもの季節を謙虚に培養されてきた樹。その精神性が内側から滲み出ているような・・・・
 ストイック・・・・つまり侘び的なその精神性に共感を覚えて僕は矢島清芳園さんに通っていたのか・・・・やっと言葉に出来ました。敢えて苦労をする道を選んで謙虚に・・・・盆栽は仕入れて即転売すれば一番儲かる。その対極にある経営方針。それこそ正に侘び的というものです。しかも『うちは高級盆栽園ではない』と仰る・・・・それは正に・・・・千利休の『侘び茶』・・・・矢島清芳園の『侘び盆栽』。やっと言葉に出来た・・・・言っておきますが盆栽=侘び寂びではありません。和風の物=侘び寂びでもありません。

『盆栽業の老舗。侘び的経営の矢島清芳園』こんな表現がより適切でしょうか。

【侘び的・わびてき】千利休が体現していた精神の美、及びそれから生まれた芸術の風情。江戸時代に入りそのように表現され始めた。禁欲的で謙虚さや質素さを心掛ける事を至上とする近世以降の和の美の真髄といえる概念。金や銀といった素材ではなく身の回りにあふれる木や土などの素材を用いる。
 矢島清芳園さんは敷地全体に侘び的な精神性があふれていると僕は思います。だから演出されたものにはない美があるのかも?豪華な演出や上辺だけのディスプレイに凝った商業空間にはないストイックな空間なのでしょう。和の美で一番大切な事は侘びの精神性。侘びの精神性なき和の美などハリボテでしかない。園内に明文化してある訳でなく矢島さんが明確に言葉として意識されていないが『侘び盆栽』を結果として実践されている。
 和の美の鉄則・・・・自分で察しろ。僕は察したぞ・・・・真の意味での侘び的な『侘び盆栽』。僕は多くの盆栽園さんに伺ってきました。あくまでも僕の体験内での相対的な印象ですが『侘び盆栽』を全身で体現している盆栽業に類別される盆栽園さんになろうかと思います。

さて話を戻しましょう。

矢島清芳園さんでは基本的には完成樹ではなくもう少し手を入れるとより良くなるという品に留めてあり買い手の方で個性を出せるようにという思いがあるそうです。盆栽園さんにより個性を出せる状態にて留めてあるという事でしょう。
(もしかするとあなたの棚場にいる盆栽は実は矢島清芳園さん育ちの子かも?)

(このブログ記事を見て来園者さんが増えているとの事ですから、ほぼ完成樹も作っておくといいかも?矢島さんのほぼ完成樹も素敵。需要があるのでは?)

小難しい事はこの辺にしておきましょう。それでは僕が購入した品の話などを。


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画像:令和元年初日に矢島清芳園さんで購入したコナラ盆栽その2。かなり古い。幹に穴が開き「洞・うろ」がある。針金の跡は一切無し。手塩を掛けた素晴らしい樹。僕が引き継ぎました。「ドングリの成りは並以下と思われる」との事。なるほど僕はコナラの葉っぱが好きなので気にしないあたりですがそこは重要なポイントなのですね。矢島さんが植え替えして下さっていたので引継ぎがスムーズに。僕は洞の中をトップジンでコーティングしておきました。


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画像:金魚ツバキの葉・・・・ではありません。こちらは金魚ツバキと勘違いされやすい種類だそうです。こちらは葉っぱを頂いたので撮影しました。

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画像:こちらが本当の金魚ツバキの葉。不思議ですね~。このような珍しい種類を盆栽にするのは如何でしょうか?

次はこちら。

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↑クヌギ。自然にうねるように育てられた盆栽。冬なので葉が枯れておりますが春になると青々とした葉が。こちらは針金を一切使っていないもの。培養過程の工夫でここまで持ち込まれています。あと数鉢あったかな?この子は知人に頼み込まれて譲りました。どんな姿になっているのかな?

お父様は針金を用いないで『知恵』で曲付けしていくことを好み、和の美の精神性や明文化されていないルールなどを熟知し、『古典的な和の美の精神性を踏まえた、古典的盆栽』を守り、かつ独自の技も駆使する盆栽士さん。これは僕が言葉にしたものです。自称されている訳ではありません。

針金を使わないで『知恵』で曲付けもできますが手間暇がかかる。相対的に価値を比較すればどうしても『知恵』による曲付けが勝ってしまいます。ですからより尊いモノにあこがれる方は『知恵』による曲付け盆栽を購入されてみては?僕は両方を楽しんでいます。古典的盆栽も近代的盆栽も。

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素晴らしい性質の二年生のケヤキを購入しました。素晴らしい。※数か月後にお伺いし、もう1鉢同じケヤキを購入してきました。

これでケヤキは実生素材を合わせれば20鉢を超えました。今回のケヤキちゃんは素直に育ててみます。


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こちらも結局僕が購入してしまいました。紅葉がとても綺麗です。素材としての品なので落葉後に剪定しました。ちなみにこの画像の背景は矢島清芳園さんの様子ですよ。購入したのはこの撮影の数週間後です。紅葉の様子から落葉の姿までをみて購入を決意しました。根が素晴らしい。将来が楽しみです。今日現在は枝が増えて大木のような風情に。

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こちらは某盆栽協会の会長さんがかつて大切にしていたケヤキとの事。体調を悪くし数年水やりだけになってしまっていて枝の強弱が崩れてしまっているとの事ですが、その会長さんの精神性みたいなものをこの樹から感じます。僕は一目惚れしてしまいました。二か月ほど冷静に間を置いた後に結局は僕の棚にお招きする事に。
このケヤキは幹肌のヒビ割れが美しいです。こんなに緻密にヒビ割れが起こるケヤキは国風展でも見かけません。巨大なケヤキのミニモデルのようです。僕が育てている樹齢約40年のケヤキ(一人の盆栽士さんが種から育てていたので間違いがない・1978年生のケヤキ・他のページで公開しています)はヒビ割れが大きいです。ヒビ割れが緻密であるほど価値が高いのでしょう。とにかくこのケヤキのヒビ割れは緻密。会長さんはこれを知っていて育ててきていたのか?挿し木で増やそうかな。といってもヒビ割れが起こるのは数十年後の話になりますが。将来を見据え枝を一本抜いています(矢島さんの手で)。その痕跡がいい感じになった頃にまたピークが来る事でしょう。僕は何もしないと思います。僕は盆栽士という生き様に惚れていて、その盆栽士さん達のドラマの中にこのような形で関わりつつも、自分が樹形などにコミットするつもりは基本的にはないのです。僕は違う立場で眺めて管理していくつもりです。他の趣味では自分からデザインしゼロから作る事が好きですが盆栽ではなぜか傍観者的立場でいる事を望んでしまうのです。それはリスペクトとかそんな気持ちなのでしょうか。名画を買ってきて勝手に追記してしまイメージでしょうか。(葉狩りをして枝を太らせないようにするなどの手入れは必須)今日現在は特に変わりなく美しいです。

男性は盆栽でも、自分の痕跡を残したがるような?子を残そうとする本能的なものと同じなのでしょうか。しかし僕はそういう思いが全く無いのです。どちらかといえば一切の痕跡をこの世界に残したくないとすら考えます。ですから僕は今ある盆栽を誰かに引き継ぐ際に僕の痕跡を残して渡したくないと思っています。


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こちらも購入。敢えてノーコメント。よく見ましょう。そして何かに気づけた人はそれなりの域の方でしょう。


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※白いオルトラン(対アブラムシ薬剤)は僕が捲いたもの。おそらく矢島さんはこのような使い方はしないはず。念のため告知

こちらは矢島清芳園さんのお知り合いの盆栽士さんが長く培養してきたツクモケヤキ。
ご縁があり僕がお願いして譲っていただきました。都市計画の影響で日当たりが悪くなるので次の人にと託されたとの事。しかし矢島さん的に『譲るのが惜しい』のが本音という素敵な子。自分の樹にしようかなと思っていたそうです。プロが惜しいと思う子なのです・・・・・@@,
 ツクモケヤキは学術名です。盆栽をよく知っている方が仕立ててきたので素晴らしいバランスです。
矢島さんは最低限度の金額で譲ってくださいましたが、この子を育てた盆栽士さんに敬意を表して僕が価格を付けると・・・・333万円の金額を付けてしまいました。3並びでいかがでしょうか。僕が元気な間は手離すことはないけどね。にゃっはっは。葉が密である。などの特徴があります。ニレケヤキは学術的にはケヤキではありません。しかしこのツクモケヤキは学術名があるケヤキの一種です。

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ただし・・・・僕にはまだまだ面倒をみきれる子ではありません。矢島さんにアドバイスを頂く為に通う事にしました。それが一番。自分がおろかであることを自覚し賢者に指導して頂きながら自分が成長できればと思います。
 本来ケヤキは逆三角形的に仕立てます。この子はその逆。そしておおよそ何もしないでこの状態で維持できるようなバランスで仕立てられているそうです。芸術の域。おそらくは・・・・樹齢30年前後かな?そんな時間を掛けてここまでたどり着いたのです。完ぺき主義者の盆栽士さんと推察。僕はそれほど鉢にこだわらないのですが来年はこの子にそれなりの鉢を探してあげるつもりです。色は薄めで夏に熱を持ち辛くしようかな。おそらくは鉢の色でもコンディションが変わるはず。よく考えよう。すごく悩むな。少なくとも来年の植え替えは自分では行わないつもりです(葉狩りをして枝を太くしないようにとのアドバイスあり)。よく観察すると丹念な培養の日々が伺われます。一線を越えた丁寧な盆栽士さんです。ダンディーなオジサマとの事。あらま素敵。玄人盆栽士さんにコメントを頂いています。素晴らしい。よくこの樹を手離せたね・・・・とても綺麗。鉢をよく考えるといいよ。大切に。との事です。矢島清芳園さんで鉢を探そうかな。そのほうが変なセレクトしないで済むし・・・・
 矢島さん『盆栽は樹形の維持が難しい。作るよりも難しい。』との事です。ですよね。本来は成長していくものを今度は留めさせようとするのです。理にかなわない事をするのですから・・・・
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こちらは参考。ダンディオジサマの手仕事。小さな鉢です。これは丁寧・・・・性格が出ますね。ヤバイ。僕はこういうのけっこうテキトーだった。そうか。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、こういう見えないところこそ大事なんですね・・・・次回からしっかりやろう・・・・

矢島さんがこの子を前に、この樹がなぜ素敵なのか?盆栽士さんの努力をロジカルに教えてくださりました。すごい。本当に盆栽はすごい趣味。だから感動があるのでしょう。盆栽は本当に素晴らしい。来世でもぜったいに盆栽やりますよ。僕は。

矢島さんは観察力がすごい。ずいぶん前に譲っていただいた盆栽の事も記憶に。『それ覚えてます!?すごい・・・・』という事が何度もあります。

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カエデ素材樹。立ち上がりの美しさが素敵。葉がとても小さい性。僕は敢えてこのまま葉狩りだけで余計なことはしません。



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この子は最初に購入した子。ちょうどこんな時期の・・・・2年前・・・・2017年6月の梅雨直前の晴れた日のことでした。他の子もみんな元気です。


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ツバキ。こちらも矢島さんがゼロからスタートした子ではありませんが、矢島さんでご縁があった子です。真上からも素敵です。枝に手を入れる予定です。
 ちなみにこの画像の棚板は45センチ幅の松材無節です。川越銘木センターさんで購入しました。松は耐水性がとても強いので棚板に向いています。
 関西圏では松材が人気です。武蔵野ではケヤキ材が人気でしょうか。僕の家は武蔵野を意識して上がりカマチと床の間の地板をケヤキ無垢にしています。そして・・・盆栽も関西では松が人気で武蔵野ではケヤキが人気との事。木の好みに地域性があるようです。


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矢島さんが2016年に実生から多くのケヤキを育てていますがその中からこんな性の子が。これが永久的なのかは現時点で不明だそうです。3年続けば品種に出来るとの事。風が吹くとカラカラと揺れます。ベルマークのベルのような葉っぱです。かわいいな・・・・僕の棚場でスクスク育っています。挿し木で増やすかも?

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参考:先日購入しました。矢島さん(四代目・息子さん)が仕立ててきた『イボタの木』。軽妙洒脱な雰囲気の小品盆栽です。基本を守った上で針金を用いる・・・・古典盆栽と近代盆栽を融合させた美。いい感じ。玄人盆栽士さん「こういう樹を見て君も針金を覚えるといい。この樹もそうだけど素敵な樹だよ。バランスがいいね」実物は勉強になります。

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この子は矢島さんが実生から数年し立てた後に、ある盆栽士さんがその後20年くらい培養してきた子。
https://mogura-no-mogu.blog.so-net.ne.jp/2019-06-21-yajimasan-no-keyaki
こんなドラマがあり僕のところにいます。ビックリというか運命的というか・・・・@@,


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豆盆栽も少々あり。こちらはモミジの品種物『舞姫』。より日焼けに弱いそうです。葉が密ですが培養で注意が。


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イボタ。根の量が限界に近いので葉狩りは痛めるとの箴言あり。この子をどのように作ってきたか?よく観察するととても勉強になります。いい感じのリズム感がある子。玄人盆栽士さん「もう言わないよ。この樹のどこが最重要ポイントか。もう分かるよね?」諧謔的で和ませてくれる子。草庵風の茶室に似合うでしょう。この子は女子女性に『素敵』と評価されます。


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こちらは亀甲性のまゆみ。亀の甲羅的なヒビが入ります。ニセモノを買わないようにとの事。亀は万年。健康祈念の品としてプレゼントに良いとの事。


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先天ハシバミ。ハシバミの中でもこのような性であり、まるで針金掛けをしたように成長します。ビックリ。


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このようなものを盆栽界では先天○○と名付けているようです。先天ウメもありました。もちろんある程度の剪定が必要ですが適度な放任が重要な子。老舗盆栽業の棚場で知る古典盆栽の美・・・・

よほどの盆栽好きだとこのような品種を知っていたり探していたりするそうです。盆栽業さんの棚場でないと出会えないですね・・・・初めて見聞きしました。

針金掛けに自信がある人はこの子を針金掛けしてふつうの性のように育てても良いのでは?すごく大変ですが学ぶ事が多いはず。きっとそんなバカな事をした人は過去にいないでしょう。しかしだからこそ誰も見たことがない景色を見られるはず。『迷わず行けよ、行けばわかるさ』『バカになれ』

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こちらは枝垂(しだ)れ性の桑。かつ一才性。桑の木・・・・地図に桑の木畑の記号があるように古い時代は生活に必需的な存在でした。桑畑って見た事が無いかも?食用の実が採取できます。
 ちなみに、銘木(高級無垢材)の話になりますが、島桑と呼ばれる御蔵島の桑材は銘木の中でも最高級クラスの扱いです。成長が遅く木目が詰まっており島桑の床柱はお殿様や豪商クラスでなければ据えられないものです。川越銘木センターさんで島桑の床柱が在庫されており拝見させて頂きました。素敵でした。おそらく・・・・デッドストック以外で市場には存在しないかと・・・・という訳で「桑の木」は通好みの樹種と言えるでしょう。盆栽を始めてそれなりの経験を経て興味を持つ樹種かもしれません。古典樹種になるのでしょう。盆栽の桑でも実が成ります。当然に食べることが出来ます。すごくおいしいですよ。


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アケビの根上がり。一才性。こちらも針金を用いず『知恵』のみでここまで曲付けしてきたとの事。このアケビも棚場に同時に培養してきた子が複数いました。すごく手間が掛かっています。5年程度掛かっているでしょうか。針金を用いれば短期間でこんな雰囲気のものが作れますが・・・・・価値があるな~。
 お父様(三代目)が実践しようとしていることは樹の意志を尊重しつつ、許される範囲で盆栽士が力添えし、樹と盆栽士のハーモニーによる美を好まれている・・・・『令和』の元号を英語ではビューティフルハーモニーと訳すと政府の公式見解がありましたが、この盆栽などは正に『令和』な精神性宿る盆栽なのでしょう・・・・和の美に基づく精神性があってこの盆栽がある・・・・ここまで論理展開して盆栽を読み取るようにするとすごく楽しいですよ。僕にとって素敵な盆栽は脳の嗜好品と言えます。

・・・・・矢島清芳園さん独自の技法がありますね・・・・盆栽商さん経由で一般生活者の手に届くわけでその実態を知っている人はほぼいないでしょうが・・・・独自の美の世界を生産されている・・・・矢島清芳園のブランド盆栽というものが事実上存在するのか・・・・・。

※補足:針金掛けは技能職と言える。極めることは甘くない。なお川口市に針金掛けの神がいらっしゃるとのこと。

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竜神蔦(リュウジンツタ)・こちらも性が良いのがたくさん培養されていました。
竜が立ち上っているような風情です。竜神蔦クラブのような同好会があるとのこと。かっこE

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富士ブナ 双幹群

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富士ブナの根を癒合させて作られた双幹仕立て。好みのものを探せます。いい景色。
お父様好みの細めの侘び的ライン。最大限細いまま培養していくのが素敵でしょう。
同じテーマ・・・・双幹と言ってもV字の角度、お互いの太さ、高さ、枝の様子と全く同じ姿のものはありません。二つの樹のハーモニーがここまで考えさせられるものか・・・・お父様はこの種々相の景色をイメージして同時に多くのテーマで立ち上げたのでしょう。良さが分かる人はどうぞ。ポイントはハーモニーなのでしょう。互いが相克したり対蹠するようなバランスはもっての他。全く同じバランスでもダメ。とても難しい。どれも根を癒合させてあるのがポイントで物理的には根本で1本になっているのです。ですから本質的にはV字を描いていることになります。V字上でいかに美しいバランスを構成しているか?しかも1年や2年で作れないのです。とても価値があります。素敵ですね。双幹盆栽は令和時代に流行るかも?ビューティフルハーモニーを奏でる盆栽ですからね。


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こちらは棚場の様子。ネムの木盆栽。一才性。

ブームではなくあまり見かけない盆栽ですが矢島清芳園さんではブーム関係無し。またブームが来れば古典扱いではなくなるのかもしれませんが。
 お父様から古き良き戦後の盆栽文化のお話を。当時は和の文化がまだまだ生活の周りに溢れていた。お祭りの縁日はみんな楽しみにして出かけた。縁日では盆栽の出店も大人気。ネムの木は夜に花を咲かせるという事で夜の縁日では人気があった樹種。そのように出店でパッと目を引いてお客さんの足を止めさせる品を『あかりとり』なんて呼んだそうです。夜の縁日のあかりとりだったネムの木。その当時は矢島清芳園さんも夜の縁日にお店を出したとの事。縁日専門の盆栽商さんは『縁日屋』と呼ばれたそうです。へ~。
・粋な旦那様方から盆栽などを教わる。それで花柳界の女性は盆栽が好きだったりしたそうです。
・そのようなお客様らが夜通し来るので浅草の出店は24時間営業。
・話はそれるが昔は盆栽質屋があったそうです。たとえば千円なりで質屋が引き取り利息をつけて千百円などで引き取りにいく。盆栽が金券的に扱われていた時代もあったそうです。盆栽質屋さんが引き取っている時は、質屋さんが盆栽職人さんを呼んで手入れをしていたそうです。面白いですね。
※これは富士山近くの『羅松園』の園主さんに聞いたのですが当時は『流しの盆栽士』がいたそうです。腕が良い盆栽士さんは盆栽園を持たずにあちらこちらから声が掛かって腕で生活していたとの事。そのような流しの盆栽士さんが盆栽質屋さんに出入りしていることもあったのかな?今度矢島さんに聞いてみよ

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こちらは僕の仕事中の一コマ。考え事をするのが僕の仕事です。ずーーーっと集中していれば終わるものではなく閃きが大切。疲れてきたら気分転換に盆栽に触れるのが一番。

今後も追記していきます。


★矢島さんと盆栽を楽しむ★
ビギナーさんなら(僕もビギナーです)、矢島さんに率直にそれを伝え、その上で一緒に気に入った子を見つけると良いと思います。
 そしてその後どんな風に剪定すると良いのか?水やりのコツ、日の当たり具合は?栄養は?次の植え替えはいつか?アドバイスを頂くと良いでしょう。僕は通える距離なので現物を持って伺いどの枝をどうするか?アドバイスを頂いています。※ただし少人数で営んでいらっしゃるので、素人さんに対しては説明などに時間が掛かるゆえ季節などにより接客に時間が回らない事も。電話してからどうぞ。

老舗だからこその古典的な樹種や知識もあり、和の美という古典的な精神性を大切にした、より奥深い盆栽に出会えることでしょう。

本やインターネットに掲載されている情報はあくまでも理想(昭和記念公園・盆栽苑の盆栽士さんのお言葉)。矢島さんが教えてくださる核心的な事はインターネットや書籍など他で知る事はありません。

園内の盆栽に水やりすると3時間から4時間ほどかかるとの事。そんな事を日々繰り返して作られた盆栽なのです。それは明文化されているものではなく買い手が感じるもの。盆栽には盆栽士の精神性のようなものが籠もっています。それを感じる事が出来る人と出来ない人がいるかもしれません。矢島清芳園さんで出会う盆栽の精神性に魅力を感じています。僕はそこを一番重要視しているのだと思います。


目の前にある盆栽は・・・・ある盆栽士さんの人生の欠片なのです。
ただ単に「物」として見ないで
そこまでに至る盆栽士さんの精神性的なものを感じて楽しむ事をお勧めします。
矢島さんが培養してきた盆栽は『ストイック=侘び的』な精神性が宿っています。
そこを楽しみましょう。

大切にしましょう。
管理においては常に先読みし常識で考え判断しましょう。
絶対に枯らさないように。



お父様(三代目)より
1・まずは枯らさないこと
2・次に花を咲かせたり実を成らせたりする事を出来るように
3・そして樹形

その順序で盆栽を知っていくと良いそうです。数万鉢以上の盆栽を作ってきた老舗盆栽業の盆栽士さんのお言葉をここにて公開。


★まとめ★
園のすぐ隣に江戸時代のお城跡のお堀がありまして歴史を感じる土地です。(赤山城跡・土塁などが残っている)昔は縄文土器の欠片がゴロゴロ落ちていたそうです。古くからヒトが暮らしていたんですね~。ちなみに赤山城はかなり大きかったようですよ。

とにかく数。とにかく経験。盆栽を教わるにはそのような盆栽園に通うべし。矢島清芳園さんに通える人はラッキーだと思いますよ!僕は近道を編み出し60分台で到着です。

なお、矢島清芳園さん近くの案内看板は「清芳園」という表記になっております。注意してくださいね。


★矢島清芳園
048-295-0158
埼玉県川口市赤山(あかやま)774 
まずは電話してお伺いし、コミュニケーションしてお近づきになると、夜に時間を設けてくださり針金掛けといった実技的なアドバイスをいただけるそうです。昭和の盆栽ブームの頃は日付が変わる頃まで続いたとの事。9月の台風シーズンや冬季はわりかし時間があるとの事。

気さくにお話にのっていただけることでしょう。
 

創業は昭和初期。矢島六太郎氏(西巣鴨)が本家。次に明治38年生まれの矢島銀次郎氏(練馬南⇒現在の地へ)⇒お父様⇒息子さんで創業本家から数えて四代目になるそうです。僕は古い話が大好きなので色々お尋ねさせて頂きました。銀次郎氏は農林水産省で通訳をなされていらっしゃった事があったそうです。その後盆栽界に入ったそうです。明治大正昭和の話が大好きなものでそういう話はついつい取材させて頂いてしまうのです。


【和の美検定】
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さて・・・・この画像を見て下さい。この画像から何を感じ取ることが出来るか?その心の豊かさが和の美の世界では求められるのです。
 今日は少々のヒントを・・・・・樹形が軽妙洒脱で素敵。そんな事は誰でも分かるでしょう。ツルモドキで実が成っている。どの季節に撮影したのかおおよそ推察できます。
 丁寧な培養も推察できますね。この子を盆栽士さんが春夏秋冬、猛暑も冷夏も、暖冬も厳冬も、霜が降りた日も、ある風が強かった日も・・・・日々培養してきた・・・・そんな盆栽士さんの努力が思い浮かんできます。
 この子に関しては矢島清芳園のお父様(三代目)が種を捲いて発芽させています。僕は矢島清芳園にお伺いし当然にお顔を知っているので、お父様がある年の小春日和に播種(はしゅ)しているシーンを想像してしまいます。挿し木であれば挿し木をしているシーンを。
 お父様は盆栽がツマミで盆栽が酒というくらいの盆栽愛(僕が息子さんに確認したらその表現で間違いないとのこと)。そんな方が数十年の経験を経て撒いた種。
 そして数十日後に発芽し・・・・針金は一切掛けないで培養上の知恵のみで樹をスクスクと育て・・・・数年後なりに鉢上げされ・・・・・100鉢は鉢上げするのでしょうか?お父様が「この子は素敵だね~」なんてそれぞれの子を微笑みながら手にとり見守り・・・・いつの日か業者さんが仕入れで買っていく。少しずつ数が少なくなっていく・・・・そして毎年新しい子達が生まれていく・・・・。最低でもそこまで想像してこの子を引き継ぐ・・・・ほら・・・・冒頭でこの子の画像を見た時とは違う印象になりませんか?
 四季という時空間に思いを馳せいくつもの季節、その移ろいや盆栽士さんの生き様などを想像しながらこの画像を眺めると・・・・・この盆栽は多くの事を物語っているのです。全身で。

盆栽の一つ一つの品から季節や風景をどれだけ想像できるか?想像遊びをもっともっとするべきです。作者側の見ている景色と同じ景色を見るべき・・・・和の美とはそのように季節を想像して楽しむ遊びです。お父様いわく「俳句は季語が多い。俳句を学ぶと盆栽がより楽しくなる」との事。

僕らしい追記をしておくと盆栽とはつまり太陽との対話でもあるのです。樹を通して太陽と対話する事になります。光子は質量ゼロと言われるも実際に存在するものです。太陽なくして盆栽は始まりません。この子は太陽からのエネルギーを全身で受けて育ってきたのです。極めて当たり前な事を言っていますがそんな極めて当たり前な事を意識するとこの世界の美しさはいったいどこからきているのか?樹形が美しいなどそういう見れば分かるだろうという事に捉われないで、そもそも生命は美しいものなのだと、そこにまで気づきが至る事でしょう。その生命は太陽なくしてありえません。つまり太陽は美を生む淵源的存在なのです。もちろん水遣りや植え替えなどはあなたが行ってあげなければなりません。ということはあなたの存在があって盆栽があるのです。太陽と盆栽とあなたのハーモニー。どれも欠けては存在しません。
 人生は決して長くはありません。時間は有限です。だからこそ価値がある遊びを人生の中で楽しんでおくべき。盆栽とは地球の生命にとって神といえる太陽と直接向き合う遊びなのです。
※太陽内部の核で発生した光子が太陽の表面に現れるまでの時間は数十万年以上との説がある。もしもそれが事実であれば今日の日差しは文明が存在しない頃に太陽内部の核で生まれていた事になる。そんな事も意識して頂ければ。

さて

ここまでお目通しくださった読者さんに参考情報を。矢島清芳園では「寄せ植え」が棚場にちょこちょこと。秋にピークを迎える寄せ植え、夏にピークを迎える寄せ植えなど。それぞれ寄せ植えてあるもののセレクトがまた素敵なのです。心が豊かな方は矢島清芳園の寄せ植えもお勧めです。勉強になりますよ。どうしてその樹や草なのか?それぞれに深い意味があるものです。棚場にさりげなく置いてあります。本当にさりげなく。明文化された解説は一切ありません。見過ごしがちです。しかし・・・・一つの鉢の上にとてつもない世界観があるのです。
 解説文などない・・・・和の美の神髄です。寄せ植えを見せて下さいと申し出ればこれとこれかな~なんて教えて下さると思います。

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例えばこの画像の寄せ植え。棚場に馴染んで風景のようです。寄せ植えてあるものに意味がある・・・・逆に言えばなんでもかんでも寄せ植えればよいという訳でなく「お主、出来ますね・・・・」というセレクトが為されていて価値があります。この画像だけで様々なことを伺い知れたら上級者でしょう。なんてことはない風情なのにこのセレクトの理由は深い。和の美の世界ですね。明文化されていない美しさ・・・・あてずっぽうに寄せ植えてもいいけどそれではアメリカの寿司屋で食べる寿司的なものになってしまいます。寄せ植えは上級者向けの遊びですね・・・・

矢島清芳園の盆栽や寄せ植えはより奥深い。ぞれぞれ一切明文化されていない。どんだけ感じる事ができるか?それはあなたの感性次第。心の豊かさを磨きましょう。非言語型芸術の話者とも言える矢島清芳園で盆栽を堪能してください。


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こちらも僕が購入。そろそろ丁寧に面倒をみることができる限界が近いので購入は終わりかな?
僕は売る事や交換はしないのでじっくりと様子を伺っていきます。

僕が盆栽を好きな理由は、尋常でないほど常識力を問われること。盆栽は無言です。だからこちらが多くのことを察して常に先読みし常識的な対応をし続けることを求められます。
 物理の原理原則、生命の原理原則、気候の原理原則など、極めて当たり前な理解をとことん求められます。「常識で考えろ」ってやつですね。
 常識的思考は日々鍛錬して向上するもの。常識的思考の修行の為に盆栽は最高の趣味でしょう。

いかに自分が愚かなのか?気づく切欠にもなるでしょう。本当に思い知らされます。僕は本当に愚か。悔しいけれど・・・・

常識力に自信アリな方は今すぐ盆栽を始めるべき。



────【以下おまけ情報】────────────────────────────


当ぶろぐにて世界最大体積の生命である『ジャイアントセコイア』の栽培日記を更新してきましたが・・・・この度矢島清芳園さんに実生の子をいくつか寄贈(この言葉は適切なのか・・・・)させて頂きまして、日本初のプロによるジャイアントセコイアの盆栽仕立ての挑戦が始まりました。現物を前に素人では察知できない多くの貴重なプレビューコメントを頂きました。そしてそのコメントはインターネットや書籍で語られてきたジャイアントセコイア情報とは異なるものです。現時点では「盆栽の素材に向いている性質の可能性あり」との事です。

ちなみにジャイアントセコイアを鹿沼土で育てれば日本でも培養できると発見し発表したのは僕です。これまでは日本での培養は不可能とまではいかないまでもかなり難しいとされていました。なにせ種が高価なので挑戦する人がそもそも少なかったのでしょう。ですからジャイアントセコイアの盆栽仕立ての挑戦は始まったばかりです。しかしものすごく力強い二歩目を踏み出せた状況なのです。

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★参考ジャイアントセコイアはこんなに大きい
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7168/
ナショナルジオグラフィック公式・高齢化するほど成長の勢いが増す。
下のYouTube動画もどうぞ。樹齢3200年程度。樹高約70メートル。葉の数は推定200億枚。直径は8メートル超え・・・・!なんと樹齢1000年を越えたあたりから成長の速度が増すのです!ヤバイ!

★こちらの画像は圧巻。1枚では収まらないので126枚の画像を編集
https://mymodernmet.com/michael-nichols-forest-giant/

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樹に関する仕事はプロには絶対にかなわない。とてつもない知識と経験が必要です。そう痛感しました。自分で試行錯誤した数年は楽しい体験でしたが・・・・プロに触れてもらった方が早かったですね。繰り返しますが痛感しました。挿し木で増やしやすいので需要があれば販売が始まるかもしれません。世界最大体積の生命ですから興味がある人はそれなりにいるでしょうか?日本の盆栽士さんかつ矢島さんがジャイアントセコイアを仕立て始める・・・・最大の樹を、小品盆栽を得意とする盆栽士さんが・・・・これはすごい展開です。快諾して下さった矢島さんにあらためて感謝です。さらに実生の子を追加で寄贈させて頂きました。プロや玄人が出入りするので展開する可能性も。まだまだ始まったばかりのプロジェクトですがいずれ盆栽界でメジャーな樹種になるかも?人気があれば矢島さんも継続的に生産してくださるかもしれません。現時点ではそのような商売どうのこうのではなく、プロとして興味を抱いて下さっているご様子です。僕が『ぜひ生産して売ってあげてください』とお願いしています。おそらく日本の杉やヒノキより盆栽に向いているはず。美しくなるはず。かつ様々な樹形に仕立てられるはず。

【追記】2019/07/07
急遽矢島清芳園さんに行くことができました。ジャイアントセコイアはスクスクと育っていました。とても盆栽に向いている樹のようです。そして脳天からパイルドライバー的な実態を教えていただきました。
 ノウハウに関することなので僕はネット上でそれを公開するつもりはありません。ジャイアントセコイアの盆栽仕立てのノウハウは矢島さんがリーダーになる事でしょう。挿し木で増やして販売してくれるときが来るでしょう。そうしたら広まるかもしれませんね。楽しみです。

・・・・僕の人生はいつもその道のプロに助けられるものです・・・・今回も無謀な挑戦をしていましたね・・・・矢島さんが助けてくれたので正しい道に入りました。ここを見てくださっているみなさんの棚場にもジャイアントセコイアの盆栽が並ぶ日が来るかもしれません。お楽しみに。

ヒノキ科の樹ですが日本の杉に近い印象です。
次は東アジア最大の樹『台湾紅ヒノキ』の種を入手しようと思っていますが・・・・日本のサワラと葉が似ています。

★参考に
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玄人盆栽士さんとして紹介させて頂いた85歳のFさん。久しぶりにFさんのお宅へ。大変お若い。なんとPCをフル活用しネットで売買し(利益追求ではなく趣味の範囲で)。対戦ゲームを楽しんでいらっしゃいます。
 とても器用なことはこちらの画像で分かるでしょう。85歳になった今でも挿し木をしたり将来を見据えて素材作りをされたりしています。樹齢に比較しシルエットが細く見える繊細な盆栽を仕立ているのがFさんの世界観。花物や実物など女性が好みそうな樹種や樹形。実際にFさんの盆栽は女性が「素敵」と評価します。僕の周囲の大先輩盆栽士さんの行き着くところは「細く」「スタイリッシュ」な盆栽です。矢島清芳園のお父様(三代目)も細くスタイリッシュな盆栽もお好みです。

和の美の究極は細くスタイリッシュになるのかもしれません。千利休は戦乱の時代に敢えて細くスタイリッシュな意匠で構成される草庵の建物(茶を立てる空間)を生み出しました。
 質素であったり謙虚であったりする事は和の精神性の神髄。それを芸術として体現すればおのずと細くスタイリッシュになる・・・・年を重ねて経験も重ねるとおのずと細くスタイリッシュな盆栽に辿り着く・・・・これぞ侘び。度を越えた盆栽は特に女子女性に嫌悪されますが、それは和の美の精神性から逸脱し過ぎていることを見抜かれてしまいそれが嫌悪感に繋がっているのでしょう。僕はこう思います。明文化されたものがないからこそ「空気を読む」ことを和の美の世界では求められます。その空気を読めれば度を越えた盆栽は、和の美の世界から逸脱した「盆栽的な植木」であることを理解出来ます。そもそも論として盆栽は和の美の世界のものです。ですから和の精神性をよく考え踏まえる事は必須。しかしそんなそもそも論が為されていない「失当盆栽」のほうが世に多くあることは否めません。

和の美の精神性を逸脱しない範囲の諧謔的な盆栽も素敵です。
そのいくつかの実例は紹介させて頂いております。

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今回このエントリーで紹介させて頂いた盆栽をFさんにアドバイスして頂きながら仕立ててみようと思っております。Fさんの針金掛けの極意は「自然に見せようとするとおのずと針金掛けが必要になる」との事です。・・・・矢島さんが針金掛けした盆栽も・・・・自然に見せる為の針金掛けかも・・・・なんか見えてきた・・・・

棚場はいつも整理整頓されていらっしゃいます。奥様はお若く美人。出来る人。






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