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こまゆみ盆栽。樹齢70年前後? [盆栽のはなし]

仕事で盆栽町のほうへ。

ついでに某所へ寄りました。
そこで・・・・こまゆみ盆栽が販売スペースに置いてありました。

かなり古い樹なのは皮肌で分かります。根もゴツゴツしており、ただならぬ雰囲気。
価格は・・・・レゴブロックよりぜんぜん安い価格。どうしてこの古樹がこんな価格で?

鉢は駄物。500円もしないような。価格はそんなものだろうが鉢も古い。似合っている。
樹形は癖がなく自然体。針金の痕は一切無し・・・・
駄物と言われてしまうような鉢にただならぬ雰囲気の樹が立っている。

その空間には数百点の盆栽があったが、その樹が静かに圧倒的なオーラを放っている。

針金で無理やり捻じ曲げたような樹とか、カッターナイフでキズをつけて無理やり古く見せようとしている上辺だけの樹ではない・・・・むしろ、樹齢の割には細い印象。あえて時の流れを遅らせようとしているかのような。

僕はもう新しい盆栽は購入しないと周囲に宣言済み。
しかし・・・・この盆栽だけは僕が継ぐべきだ・・・・そう思う何かがありました。

ここまで一人の盆栽士さんが育ててきたのか?いや、かなり古い。数人を経ているかもしれない。
価格が安すぎないか?こんな価格では超初心者が買っていき、枯らしてしまうのではないか?

・・・・僕なら大丈夫なはずだ。とりあえず僕が引き取り、次の適任者と出会うまで、僕が手入れをするべき。
 最近では台湾経由で中国に輸出される事が多い。この古樹を海外に渡らせてはいけない。



価格が安いからとかそういう理由ではなく、僕が引き継ぐべきだ。そうだ。絶対にそうだ。
そう決心し、購入してきました。

そんな気持ちで引き取ってきた盆栽は初めてのことだと思います。

ここまで育ててきた方々は、質素で自然体のものを好む人だと思います。
それゆえ数十年飽きないような盆栽だと思います。

その日店番をしていた女将さんは、こまゆみ盆栽が大好きとの事で大変詳しくアドバイスをいただけました。よーく聞いてきました。樹齢は70年越えていてもおかしくない。この根はそういう域の根でしょう。との事。すくなくとも30年程度の若い樹ではない。との事。
 同じ樹種ではないので比較になりませんが、僕がすでに育てている60年クラスのケヤキよりも明らかに古さを感じます。太平洋戦争が終わった直後くらいに盆栽をやろうかな、なんて育てられてきた樹かもしれません。
 1年ほど、手入れがややおろそかになっていたようなので、体調を崩されるなどの原因があり、その日そこに並んでいたのでしょうか。
 僕がしばらく管理しようと思っています。そして、計画的に次の代に継ぎたいと思います。鉢は敢えてこのままにしましょう。質素に。

僕が現在みている景色は・・・・
数十年飽きない質素な美・・・・感動的とか衝撃的とかそういう樹ではなく、数十年飽きないような樹。
女性に例えるなら、石田ゆり子さん的、すみえさん的ですかね。ああ、きれいですね、かわいいですね。なんていつまでも日々思わせてくれるような。特別目立って美人という訳ではないけれども、どちらかといえばふつうで、
 でも、ああ。やっぱり美人な人だなと毎日思わせてくれる。質素な美人さんのような盆栽。今回のこまゆみ盆栽はそんな美があります。

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