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わかりやすい。ケヤキ盆栽の仕立て方、作り方。(実生・種から作るケヤキ盆栽。分かり易い。簡単に。かんたんに) [盆栽のはなし]

やあみなさん

ケヤキの盆栽を種を拾うところから作りませんか?という記事を始めます。よくある箒仕立て(ホウキしたて)を作る記事です。

そして、出来る限りシンプルな方法にします。マニアックな土の配合などにすると敷居が高くなってしまいますので、高レベルな技は盛り込まないようにします。

記事の目的は、分かり易いケヤキ盆栽の作り方の情報をまとめ、自分の知識を記事にする事により客観視し、自分のレベルをより向上し、かつ、表現力を高める事が出来たらと考えております。なお、何度もリライトしてより分かりやすくするように心がけます。(現在二校)

なお、埼玉県川口市の矢島清芳園さんに教えて頂いたノウハウもあります。
実生からではないけれども、二年生とか三年生。もしくはそれよりちょっと古いケヤキの好素材から仕立てたいという方はそちらに買いに行くと良いでしょう。(有名盆栽園さんがここで仕入れている事を僕は気づいてしまった・・・)
こちらのリンクは僕のブログでの紹介記事です。↓↓↓
http://mogura-no-mogu.blog.so-net.ne.jp/bonsai-kawaguchi-001

淡々と進めます。



★第一章:まずは種をゲットしよう★

関東地方平野部では、11月上旬~下旬にケヤキの種を拾う事ができます。
この記事は2017年にタイピングし始めましたが、太陽の黒点数が著しく減少し始めており、一説によるとそれにより雲が多くなり、結果湿潤な気候になりやすく、しばらくの間地球の温度が下がる傾向にあるとも言われております。ですからケヤキの種の収穫については報道やデータを元に推測してください。(江戸時代に飢饉が数度発生しているが最新の客観的事実ではその頃も太陽活動が低下していた事が分かっている)

さて

収穫したケヤキの種を播種(はしゅ・種をまくこと)するのは、関東の平野部では3月3日。ひな祭りの日に播種すると良いと言われております。(これも上記問題を踏まえて計算しましょう)
なお、生産家の方によっては2月上旬こそがベストと仰る方もいます。僕の経験では3月3日に播種して良好な結果でした。

ケヤキの木は、二年に一度、種を落とします。種を落とす年は下の画像のように小枝の先が落ちておりそこに種がくっついています。

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種を落とさない年は葉っぱのみ落ちており、上の画像のような小枝の先は落ちておりません。そのような時は他のケヤキをさがしましょう。なにせ生き物ですから稀に大量に種が発生する事もあるそうです。(僕はそれを確認していません)

この時に、葉が小さく細長いものから種を採取すれば盆栽に向いた血統であると言われております。(これは一般的に言われている事であり、科学的なデータがある訳ではありません)

親木の性質もチェックしましょう。今回はホウキ仕立てを目指しますので、葉が小さく枝が天に向かってぐいぐい発生しているケヤキから採取した種を用いるべきです。よくみると横方向に元気よく枝が発生しているケヤキは向いておりません。

ケヤキといえどDNAによりその姿は種々相(しゅじゅそう:さまざまの状態や姿)。葉の形、幹の色、枝の発生の仕方。それらがそのまま全て種に遺伝されている訳ではありませんが、似る傾向にあるとはいえます。せっかく気に入ったケヤキがあっても種が成るのは二年に一度ですから来年の事もあります。諦念(ていねん:あきらめのきもちをもつこと)を持って向かうべき趣味が盆栽。焦らずにいきましょう。

思い入れのあるケヤキを親木とする場合は、盆栽に向いている、向いていないなんて話は関係ありません。有名な名樹の種を用いての盆栽は細かい事を気にしてはイケません。

なお、周囲に樹がなく一本立ちしているケヤキは受粉の確立的な問題から発芽率が低いようですから注意が必要です。

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上の画像は、紅く紅葉する血統と黄色く紅葉する血統を並べて撮影したものです。盆栽の世界では紅く紅葉するケヤキのほうが評価が高いようです。まあ、好みですね。

実生は発芽しないと分からないものですから、多く発芽させて選別していくのが良いでしょう。

小枝の先に種と共に残っていた葉の様子を観察し参考にするのも良いでしょう。親木の樹皮が赤いものは葉が赤いとお年寄りの皆さんは仰ります。僕は確認が間に合っていませんので参考とし残しておきます。

種の大きさにも大小ありますが、小さな種の方が良いと一般的に言われております。

拾ってくる時は数百個以上。千単位であっても良いです。数個では話にならないですからね!

【注意】
晩秋に種を拾う事になりますが、ノロウィルスの流行が始まる頃となります。地面から拾う訳ですから注意しましょう。ゴム手袋をするなどの準備をすると良いでしょうし、種を拾った後にお腹が減ってコンビニに行ったとして、手を洗う、買ったものを直接触らないなど注意しましょう。100均のゴム手袋でOK。風が冷たい日に案外温かいもので凍えません。また、秋は乾燥しております。葉っぱをカサカサと探っていると想像以上に埃が。マスクも必須です。
これ、盆栽の本やサイトでは注意が促されておりませんが、それなりのリスクを背負ったミッションになる事を覚悟して臨みましょう。



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種を持ち帰ったら常温の水に漬けこみ一昼夜ねかせます。
発芽不良の種にも様々な物理的理由があり、その中で最も深刻な理由が種の殻の中身が空っぽである事。発芽が良好なものは必然的に重量が重くなります。よって沈み易い傾向に。中身が空っぽであれば浮きやすい傾向にありますから、そんな選別法です。実際に割ってみたら中身が空っぽのものがありました。

【重要】
沈んだ種を使う

浮かんだ種は捨てる※下記に注意

沈んだ種は発芽率が高いと一般的に言われております。

※注意※浮かんだままの種を2018年春に播種してその結果をここに追記します。実験してみましょう。

目安は一般的に24時間と言われておりますが、比重差を利用した選別法ですが、地面に落ちてきて何日経ったか?日向と日陰にあったものでは乾燥度が違って当然です。ですから、僕の場合は24時間で一度拾い上げ、48時間でもう一度拾い上げています。(それぞれ分けて保管しています)
敢えて全てを漬けたままにしたら6日目にほぼすべての種が沈みました。空っぽの種でも浸水すれば沈んで当然。そこは常識的に考えて各自兆戦してみましょう。


つづく



●情報元(順は雰囲気)
・盆栽技術大系第6巻(樹石社)
・矢島清芳園さん(川口市)
・中嶋先生(飯能市)
・古川さん(飯能市名栗)
・独学による研究

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参考にこちらの記事もどうぞ
ケヤキの盆栽 種々相
http://mogura-no-mogu.blog.so-net.ne.jp/2017-11-06-keyaki

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